私は何をしていてそうなったのか…。

だから入学式とか終えますと、保護者会とかいろいろあるじゃないですか。
それでですね、私はできるだけそういうのにも真面目に出たいと思っているんですよ、この身をそこへ移動することが可能な限り、ちゃんと出よう考えている、いたって真面目な保護者であるわけです。
体育館っていうのはどうしていつも寒いんだろう…。
私は昨日、やっぱり遅くまで起きていたので、とにかく眠くてボケっとしながらそんなことを考えておりました。だけど、変な人に見えないように座り方にも気をつけて、背筋を伸ばし真っすぐに講演をされている先生を見ていました。
こういう講演、特に興味の薄い講演を寝ずに聞くのは難しいです。そもそも興味がないとか言っている時点でおかしいのかもしれませんが、教育方針はもう十分に理解したから許してくださいという気分になってしまうのです。どんなに正しくマトモなことであるかは解ります。私自身も何気に「教育」という現場にもいるわけですから、今の若者に何が足りないかなんていう議題は聞きあきるほど聞いているし感じてもいます。
でもだったら尚更真面目に考えなければなりません。きっとそれがフツーです。
だけど私は眠気に勝てず、そのうちうとうとしてしまいました。内容はなんとなくしか頭に入っていません。何も考えていない状態でうとうとしながら聞いているフリをしてそこにお座りしていただけなのです。
そこにいた人たちは本当に全員真面目にちゃんと頭を働かせながら講演内容を聞いていたのだろうか。私にはよく解りません。オトナだったらきっと真面目に聞いて考えるはずだとは思いますが、自分がそうでないのですからついつい疑いたくなってしまいます。子供の頃、オトナになったらちゃんとオトナになるんだろうと思っていましたが、それは間違いであったと最近よく思います。でもオトナを演じることくらいはできますから、頑張ってオトナを演じているわけです。
それで結局私は、睡魔と闘うくらいしかできないなんの意味もない時間を過ごしていました。
すると講演がそのうち終わり、移動してくださいというアナウンスが流れました。私は保護者の方々の中に交じってその流れに身をまかせました。どこに行くのかはよく分かりませんが、なんとなく身を任せていれば目的地にたどり着けるような気がしたからです。どこへ行って何をするのか全く解っていない場合は、慌てず焦らす身を任せるのが一番じゃないですか。
私は学生の時から、この「学校」という場所に来ると、つまらない時間が過ぎる為だけに何になろうかと考え、クラゲにでもなってやろうと、ユラリフラリとクラゲのように人々の間を移動するという、変な技を発動してしまう時があるのです。
そのクラゲ技で、おかしなめにたくさん合っていても、こんな時はクラゲ技くらいしか使える術がないのです。
そして私はどこかにたどり着きました。そこには裁縫道具と習字セットの販売についての説明をしている業者の方がいらっしゃいました。申込用紙を渡されたので見てみると、「時代は変わった!」と、眠気も吹っ飛ぶハイカラな習字セットやオシャレなバックにしか見えないお裁縫セットの写真がズラリと並んでいました。
それにしてもびっくりしました。習字セットと言えば昔は赤か黒。ランドセルと同じで女子は赤で男子は黒でした。でも今はドラゴンがついていたり、スポーツブランドだったり、キラキララメのキャラクターものだったりと、とにかく習字を学ぶにあたってそれだけはやめよーぜと言いたくなるようなデザインとしか言いようがありません。だって、習字ですよ、習字。あのトラウマの習字。
厳しい先生と分からずやの親の間バサミになって、ヤケをおこして墨汁を川に捨てちゃうくらいキレた、あの習字。その背景には、習字が「和」であることもちょっと関連していたように思います。習字とはカタイもんで、「昔」から日本に伝わるサムライ的要素なんかもちょっとあったり、とにかくナンパじゃないんだ、硬派だよ、硬派。わびとかさびとか、よくわからんけど絶対蛍光ピンクとかラメとか横文字のブランドなんて入りこんじゃいけない世界なんだから、そういう言葉では言い表せないけど、なんかそんな雰囲気…みたいなのを含めて学んでほしいと思っているのに、ナンダこれは!けしからん。…と、私の思考はまずその辺にギッチリととらわれてしまいました。
それにお裁縫セット。これもまた形状も何もかも変っていて、昔のあのキモチワルイ民芸関連の絵みたいなのが真ん中に書いてあるクリーム色のプラスチックの箱みたいなのとは180度違う、オシャレ全開のお裁縫セット。時代は完全に変わったんだ…といろんな意味でショックを受けました。
私が学校で購入した裁縫箱のあの趣味の悪い絵は一体なんだったんだろう…女のだるまみたいなヤツだった。弟の時代はまた少し絵も違って招き猫もどきみたいな張り子猫になってたけど、あれも酷かったなぁ…どんなデザイナーがデザインするんだろう。やってみろと言われてもなかなかできないぞ、だったらある意味スゴイのか???
私の頭はそんなふうに完全に方向をずらした思考の迷宮に入って行きました。
でも、子供が学習で使うのであれば購入しなくてはいけません。習字セットもお裁縫セットも必要であれば買うしかないのです。もちろんちゃんと墨汁も買ってあげなくてはいけないと思いました。墨汁を忘れてしまったら私のあの経験が更なるトラウマになりそうです。墨汁だけは忘れちゃいけないと、帰りにショッピングモールで墨汁を買って行こうとまで思ったくらいです。
そして説明の男の人は、説明を続けます。子供経由で担任の先生に渡してもいいし、直接事務室へ持っていってもOKだと言っていました。私はしっかりと申込用紙を持って、申込方法を聞いてうなずいたくらいになっていましたが、さて、ここで問題です。
入学したての一年生は、習字の授業をするでしょうか…
針なんていう危ないものを使っての、お裁縫の授業なんてするでしょうか…
そんな考えを思いつきもしない私は、申込用紙と写真パンフレットを持って、そのパンフレットの写真を眺めながら真剣にどれにしようかと考えながら、また人の波にまぎれながらゆるゆると少しずつどこかへ動いていきました。
「3年生の保護者の皆様、教室にお入りください。」
と、優しそうな女の先生が誘導しています。
あれ?3年生って言った今?と、思いつつも動きは止まりません。私はこのまま行ったら確実に3年生の教室に入るみたいな雰囲気ですが、うちの息子は一年生。
なるほどここは3年生エリアですか、ということはお習字もお裁縫も3年生からなんですね、ヨカッタ、うちの息子にお裁縫なんてできるのかなぁ~なんて、ちょっと思っていたところです、だって一年生なんですもの。そして私はどうしたらいいのかな?ただフラフラとついてきただけなんだけど、こんな申込用紙とパンフレットまで貰っちゃって、ちょっと恥ずかしくなぁい?ねぇ、けっこう大きく恥ずかしくなぁい?ねぇ、「アンタ誰?」とか密かにずっと思ってたヤツとかいるのかな?ねぇ…ねぇ…私はどこへ行けばいいのかなぁ……………………………………………。
脳内アナウンスを可愛らしくしても事態は変わりません。私は3年生の保護者の群れの中にいました。
その後、そそくさと逃げ出し(カッコワルっ)、一年生の教室へ音速のごとく移動しましたが、既に懇談会は始まっていて、全員が着席して静かに先生のお話を聞いている中、遅刻してきた生徒のように教室の後ろのドアをこっそり開けましたが、バレずに遅刻するなんてことはできませんでした。
しかも、二クラスが一つの教室で行う為、その教室にそのまま設置してある机と椅子がセットの状態で座る人と、隣のクラスから椅子だけ移動して机の間においてある椅子に座る人がいる手はずだったらしいのですが、保護者の参加人数が偶然にもそのクラスの子供たちの人数+1だったのです。ということは、一番最後にたどり着いた私だけが、机なしの椅子に座るという状況です。しかも誘導されたのは教室のど真ん中。
教室のど真ん中で独り、机のない遅刻者。
ナニコレ、なんかの洗礼?
なんでいっつも普通にしていられないんだろう…。
なんでいっつも普通にならないんだろう…。
帰ってきた私はすっかり疲れてこんなんなってました。

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コメント
こんばんわ
いずきちさんの頭にもチューリップが咲いた様子で・・・・。
学年を間違えたとはいえ、今の教材って子供ウケに必死過ぎです。
おそらくオシャレモンスターなんチャラってやつが、「教材がダサい」とか「子供にはもっとオシャレな教材を使わせないと!!」なんてことを言って毎年毎年改善されていって、いずきちさん世代から見ればそう見えるんでしょうねぇ。
習字道具にオシャレは関係ありません!!
どうせ、墨で汚れるんですから。
ちなみに今ツル子さんの頭には灰色のチューリップが蕾をつけました。
やばいです。
春色のチューリップに変えないと、蝶々じゃなくハエが止まってしまいそうです。
いずきちさんの頭にもチューリップが咲いた様子で・・・・。
学年を間違えたとはいえ、今の教材って子供ウケに必死過ぎです。
おそらくオシャレモンスターなんチャラってやつが、「教材がダサい」とか「子供にはもっとオシャレな教材を使わせないと!!」なんてことを言って毎年毎年改善されていって、いずきちさん世代から見ればそう見えるんでしょうねぇ。
習字道具にオシャレは関係ありません!!
どうせ、墨で汚れるんですから。
ちなみに今ツル子さんの頭には灰色のチューリップが蕾をつけました。
やばいです。
春色のチューリップに変えないと、蝶々じゃなくハエが止まってしまいそうです。
【2012/04/17 20:29】
URL | ツル子さん #- [ 編集 ]
URL | ツル子さん #- [ 編集 ]
>ツル子さん
ツル子さんこんばんは。
私の頭には今、真っ黒なチューリップが咲いてるカンジです。
もうすぐネイルの試験で、学科のお勉強が切ない…辛い…私はお勉強が嫌いです(汗
いやでも、ホント、びっくりしますよ。キャラクターもののお習字セット。
時代が変わったとしか言いようがありませんでした~。
オシャレなものはオシャレなものでぜんぜんいいんですけど、習字の雰囲気ってそうゆうのじゃないじゃん?みたいな感覚がしてしまって、どうにも理解しがたいと思ってしまうのですよ。こうやてババァになっていくのですねー(>_<)
ツル子さんの頭に咲きそうな、灰色のチューリップ。
ハエが止まるのはちょっと嫌ですが、でも灰色のチューリップはきっとカッコ良くて素敵ではないかしら?と思います~。ちょっと都会的クールなチューリップってことで、なかなかイケてますよ、きっとw
ツル子さんこんばんは。
私の頭には今、真っ黒なチューリップが咲いてるカンジです。
もうすぐネイルの試験で、学科のお勉強が切ない…辛い…私はお勉強が嫌いです(汗
いやでも、ホント、びっくりしますよ。キャラクターもののお習字セット。
時代が変わったとしか言いようがありませんでした~。
オシャレなものはオシャレなものでぜんぜんいいんですけど、習字の雰囲気ってそうゆうのじゃないじゃん?みたいな感覚がしてしまって、どうにも理解しがたいと思ってしまうのですよ。こうやてババァになっていくのですねー(>_<)
ツル子さんの頭に咲きそうな、灰色のチューリップ。
ハエが止まるのはちょっと嫌ですが、でも灰色のチューリップはきっとカッコ良くて素敵ではないかしら?と思います~。ちょっと都会的クールなチューリップってことで、なかなかイケてますよ、きっとw
2年生ではなく3年生の保護者の列に加わっていたいずいちさん。
これは不思議というより奇跡に近いかも。
さらに教室では遅刻した上、お誕生日席とでも言うべき場所に座らされるとは...。
北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手が自身のことを「持っている」と言ってましたが、いずきちさんの方がずっと「持っている」ようですね。
【2012/04/24 17:37】
URL | ポント #bu/TLUm. [ 編集 ]
URL | ポント #bu/TLUm. [ 編集 ]
>ポントさん
こうも普通にできないというのはやっぱりバカなだけじゃなくて、何か「持っている」のかもしれませんw
一体何を「持っている」のやら…(-_-)
自分自身に笑えます。いつもいつも何してんのかな~と。
実は今日、家族でドリアンを食べました。最悪でした。私にとっては地獄でした。
そのうちブログ記事にでもしてみようと思います。
こうも普通にできないというのはやっぱりバカなだけじゃなくて、何か「持っている」のかもしれませんw
一体何を「持っている」のやら…(-_-)
自分自身に笑えます。いつもいつも何してんのかな~と。
実は今日、家族でドリアンを食べました。最悪でした。私にとっては地獄でした。
そのうちブログ記事にでもしてみようと思います。
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