女の意地…というよりも、私の意地
タイトルは「女の意地」とは言えないかもしれない、けど私は女だから間違っても「男の意地」とは書けないなぁ…じゃあ「私の意地」ってことだ。というカンジでつけました。
時に、意地を通さねばならない場面があるのです。それがどんなに馬鹿げていようとも、私にとっては大事なことで、そんなちっぽけなことで折れてしまうようなチンケな自分は嫌だ!と心の叫びで生きるのです。
あれは小学校3年生の時でした。
3年生になると突然「習字」の時間ができました。四角い手提げかばんのような習字セットをクラス全員が買わされます。男子が黒。女子は赤黒い色をした気持ち悪いカバンです。ランドセルもそうですが、昔は男子と女子ではそんなふうに色で差をつけるのが当たり前でした。私はあんな赤黒い変な色が嫌いでしたので面白くもオカシクもねーなーと、真新しい習字セットを残念な気持ちで眺めます。

それに私は絵は好きですが、習字とはびっくりするほど相性が悪く、習い事として一度通わされたことがあったのですがたったの一回で暴れて辞めました。ひたすら黒い色だけを使って、文字以外描いてはいけないなんていう拷問。そうです、私にとっては拷問でした。「そんな一度きりではわからないでしょ?これから楽しくなるかもよ?」という親には「無理なんだ!」とはっきり申し上げて怒りテンションで辞めたというカンジでした。
その恐ろしい習字の時間が学校の授業でも始ってしまったのです。とても残念に思いましたが、根が真面目な私は学校の授業となれば仕方がないので頑張ります。昔はとっても優等生気質なワタクシでしたので、授業の内容について人よりもできないなんていうことがあってはいけないと、それなりに頑張るのです。ああ、なんてケナゲな私。
そんなふうにそれなりに頑張ろうと思っていた私に大事件が起きました。起こっている事柄は実は地味なのですが、私にとってはけっこう大事件なのです。一体どんなことが起きたのかと申しますと…
まず、習字セット。赤黒い箱に持ち手がついたようなあの習字セットです。この内容物というのは、習字を始めるにあたって必要なものが全部そろっている…などとうたっておりますが実は大ウソで、どうしても自分で買わなくてはいけないものがあったのです。
それは、墨汁(ぼくじゅう)。
黒く四角い胴体に、行書体みたいな文字で「墨汁」と書かれた緑みがかった黄土色のシールが真ん中にペタンと貼ってあり、真っ黒な液体の注ぎ口はアホみたいなプラスチック色の真緑。この憎々しい物体。(なぜ憎々しいかは徐々にわかります)
「これは各自購入しなければいけません。必ず買って、習字セットの中に入れておいてください」、と担任の先生は言いました。
「それから習字の菅波先生はとっても厳しい先生です。礼儀や忘れものにも厳しいですよ、しっかり落ち着いて習字を習って下さいね。」
と、当時の授業はほとんど担任が行う状況だった中、怖い男の先生に習うことが初めてともいえるそのクラスに緊張感の走るようなことも言いました。
怖いといっても別に正しい行動をしていて怒られることはまずないのだから、そんなに怖がる必要はない。私は怒られることをする気がない。と、そんな担任の脅しなんて全く気にも留めていませんでした。
ところが…私の身に大問題が降りかかります。
これは、どうしてそんなことになるんだ?と聞かれると、うちの親がバカだから…としか言いようがないのですが、私が親に
「墨汁を買ってくれ。」と言うと、親は、
「ナニソレ、墨汁?そんなもん知らん。」と言いました。
なので私は説明します。
「習字に使う墨のことだよ。前に一度だけ行った習字教室にもあったよ。墨汁がないと何にも書けないよ?」と。
すると親は、
「墨なんてコレじゃん。この四角いヤツが墨なんだよ。水を入れてずーーーーっと根気よくこすってると墨ができるんだから。墨と言ったらコレだ。そんな墨汁なんてなくたって別に困らない。このセットにわざわざこの墨が入ってるんだからちゃんとソレ使ってよ。」
と、習字セットに入っていた四角い物体を持ちだしてそう言うのです。
私はとても困りました。学校からは墨汁を買ってこいと言われ、親は墨汁なんていらないと言います。冷静に考えて私は学校で忘れ物をしないためにはここで親を説得しなければいけませんが、うちの親はちょっと変わっていてなぜかどうしても「墨汁」の存在を受け入れないのです。そしてしつこく食い下がる私に、
「墨汁なんていうのは邪道だ!絶対買わん。」と言ったのです。
最悪だと思いました。なぜ、墨汁でそんなことが起きる。もうお年玉とかで買ってやろうかとも思いましたが、大嫌いな習字のためにお年玉まで持ち出すのはやっぱりどうしてもイヤでした。
こうなったら、親に「墨を作れと言われました。」と正直に言ってみようと、習字の授業当日、私は墨汁を持たずに学校へ行ったのです。これも大きな間違いでした。
習字の菅波先生、こちらも少し変わった先生で、私の言う事に全く聞く耳を持ちません。私ははっきり言ってこの時、世の中は「結果論」であると学んだと言ってもいいと思います。菅波は「持ってくるべきものを持ってこない。」それが「悪」であり、「罪」である。持ってこないことの過程は関係ない。私にそう言いました。かなり厳しく怒られて、次回必ず持ってこいと怒鳴られたことを今でもよく覚えています。怖いというよりもムカつく。私はムカついていました。反抗的ないくない生徒です。
そして、その日墨汁のない私は隣のフクロウみたいな顔した男の子、山口くんに墨汁をわけてくれるように頼んだのですが、山口は「ヤダね。」と言って私に墨汁をよこしません。
これもムカつく。「ヤダね。」ってナニソレ「ヤダね。」って。
そりゃ私はあんたの隣にいて、たいして優しくもないつまらない女子かもしれませんけどね、困っている人を助けてあげましょうって、センセー言ってただろ?普通、墨汁くらいわけるだろ、なんとケチくさい男なんだ!
ここで断られると思っていなかった墨汁を断られたことで頭にきた私は、もう意地になってしまいました。方法としては前の人や後ろの人にも声を掛けて墨汁をもらうという手もあったはずなのに、私はその道を選びませんでした。意地になって、
自力で墨を作ってやる!
と、すずりに墨をバカみたいにこすりつける戦法を実行することにしてしまったのです。
墨を作る作業というのがどれほど大変かをいうことを知らなかった私は、墨に対してものすごく甘い考えをもっていたことを身を持って体験させられました。はっきりいってイライラする。永遠にこすり続けていなければいけないような作業が鬼のようにイライラする。もういいかな?と思って紙に出来上がった墨を垂らしても、うっすい灰色。黒くない。

こんな面白くないことを、なぜ、クラスで1人、私?
すりすりすりすりすりすりすり…永遠のすりすり地獄。
いつブチ切れて机をひっくり返すか…時間の問題かもしれない。そう思いましたが、小学校の授業というのは45分授業です。わりとあっさりすぐに終わっちゃうのです。だから、我慢強い私がブチ切れる時間としては少々足りないものがある。私だって人間だもの、そんなに簡単にブチ切れられません。極限状態に陥らないと、びっくりするようなキレ方ができないんですよ、普通みんなそうですよね。
それに、その45分の中で、すりすりして作った墨で、文字を書き、提出までしなくてはならない。厳しいです、無理です、ヤバイくらい時間がない。
その日の私の45分スケジュールはこんなカンジでした。
墨汁を忘れて先生に怒られる→10分
山口にムカつきながらすりすり地獄→30分
あと残り、5分しかありません。
その5分で課題である文字を書いて提出する。
すりすり作業に夢中になっていた私は、書く文字がよくわかっていませんでしたが、周りを見渡すとクラスメイトの方々が書いている文字は、
「山」。と、一文字。
どこ見ても、山、山、山、山。
バカみたいに山、山だらけ。アホらしい。
これだから習字は最悪だ。つまらなすぎる。私はこの「山」一文字のために30分のすりすり地獄を味わっていたのか、せめてもっとカッコイイ難しそうな漢字にしてほしい…と、書けもしないくせに思い、ここでもまたムカつきました。
そして、私が仕方なく書いた「山」。
もうびっくりするほどのグレー。灰色、ぜんっぜん黒くない。
あんだけすりすりしたのに、まだ黒くならんのかおまえは!と、墨にもムカつく。
ああ、もう最悪だ、習字最悪、大嫌い。
私はこの先どんなことがあっても習字だけは許さないと決めました。
そして、その日はクラスで1人、うっすい「山」を提出し、菅波には「ずいぶんと遠い、霞のかかった山だなぁ。」とハイレベルな嫌味を言われ、ムカムカ続きで疲れる授業をどうにか終えたのです。
もちろん家に帰ってその日の出来事を親に説明します。だから墨汁を買ってくれと頼みました。それなのにうちの親は、
「正しい!クラスで1人だけ正しい習字の時間過ごしたんじゃない?」と、ぜんっぜん私の立場をわかってくれません。グレようかと思いました。
なぜかうちの親は「墨は心を込めてスルもの。それで書くから習字なんだ。」と思い込んでいるのです。いや、正しいのかもしれませんが、学校という場所で、しかも45分授業で、そんなことをしていたらただのすりすり授業ですよ、習字の時間とは言えません。そのことをどんなに説明しても親は納得してくれないのです。
もう全てがイヤになった私は本気でグレることを真剣に考えましたが、そんな自分のためにならないことはやめよう…と、思い直しました。
墨汁は手に入れられない。先生は怒る。親は理解しない。山口は優しくない。私に残された道は、すりすり地獄。
この過酷な状況に、私は3週耐えました。はっきりいって辛かったです。この時は人生のうちで今が一番辛い時かもしれない…などど考えながらひたすらすりすりすりすりと妖怪ばりに不気味なオーラを発して毎回墨を作りました。でも4週目、さすがに堪忍袋の緒が切れたらしい菅波が私を鬼のように怒ります。
でも仕方ないじゃなか、親に買ってもらえないんだ。と思いながら怒られていました。ここで泣かないのが不思議なくらい、私はかわいそうな立場だったと思います、だって小学校3年生ですよ、少女ですよ、少女。
もー、「親、対、菅波」
もうこいつらヤダ。というのが私の率直な意見でした。それからこんなオトナになはるまい…とも思いました。
親呼び出しでも何でもいいから直接戦ってくれればいいのに、どーしてそうならないのかが不思議でした。
その後も私は墨汁を持って行きませんから、毎回菅波に怒られます。でも菅波の言葉なんで私の心にはちっとも響きません。わめいていればいいさ、それが怖いだなんて思わない。犬みてぇ。と、最悪な小学生です。
でも、さすがにとなりの山口が言いました。
「墨汁…使っていいよ…。」と。
私がこんな事態に陥るということがクラスの誰が想像するでしょうか、誰もしませんよ。そして山口の他にも私に墨汁をめぐんでくれようとする心優しいクラスメイトがたくさんいました。
それなのに私は、その優しさあふれる行為を全て断りました。
それは、なぜか…「意地」です。
もう、意地でも墨汁は使わない、お願いだから使ってくれと言われても絶対使わない。最初は買ってもらえなくて使えなかったのかもしれないけれど、もうここまできたら自ら「使わない」に変更してやる。どうせ誰も私の気持ちなんてわからない(←ありがちなアウトローの感情w)。
私はこういう事態を経て、絶対に墨汁を使わない人間になったのです。それからその後、どうしても墨汁を持ってこない私の家に一本の電話が入りました。学校からです。親に直接墨汁を持たせるようにと担任が電話をしたのです。さすがに学校から直接墨汁の件について説明を受けた親は、事態が自分が思っているほど軽くなかったことを理解してくれました。
そして私は墨汁を手にいれました。初めてのMY墨汁です。でも愛しさを感じません。
黒く四角い胴体に、行書体みたいな文字で「墨汁」と書かれた緑みがかった黄土色のシールが真ん中にペタンと貼ってあり、真っ黒な液体の注ぎ口はアホみたいなプラスチック色の真緑。
ずっと欲しいと思っていた墨汁が今、目の前にあるのにそれはいろいろなムカつく感情を引き出すアイテムでしかなく、憎々しい。
それよりも、ずっとすりすりすりすりを続けてきて、斜めに減ってきた四角い墨のほうがよっぽど愛着がわいて可愛らしく見えました。
私は親から墨汁を渡された日の夕方、その墨汁を持って外へ行きました。買ってもらったばかりの一度も使っていない墨汁を手に、複雑な思いで近くの土手へと向かいます。土手を超えて、大きな川の河原まで行くと、私はその墨汁を思いっきり川へ向かって投げました。
私の心の叫びを全てその墨汁に詰め込んで、そして川へと葬り去ってやったのです。その後、もちろん親にも怒られ、菅波にも怒られ続けました。学年主任のこれまた怖い先生と面談もさせられました。たかが墨汁で。
でも私は折れません。何が何でも、墨汁だけはいらない。
何が、誰が、私をそうさせたのか、周りのオトナは尋常でない私の意地の張りように、今度は困惑しているようでした。妙に優しくなった菅波はまるで腫れものにで触るかのように、「好きにしなさい」と最終的には私に自由を与えたのでした。
おそらく、職員会議では
「彼女は危ない、危険だ。」と議題にあがったのだと思います。
その後、学年があがってすりすり作業が面倒(バカらしい)になってしまった私は、バレないように墨汁に水を足して薄墨を作り、人口的な薄い文字を書いて提出するという、最低野郎になりました。テンションが普通に戻れば、すりすり作業なんて永遠にやってられません。でもあれだけ(伝説になるくらい)墨汁を使わないこだわりを前面に押し出してしまっては、突然墨汁を使う人にはカッコ悪くてなれないのです。これまたおかしなプライドです。
書き初めの宿題だって、墨汁に水を足して書きましたよ。提出後、最悪なことに字が間違っていて大恥かきましたけど、基本的にすりすり作業の長かった私は、
習字=一発勝負(5分)
という感覚が身に着いてしまい、とにかく提出するものを練習なしで、一回で決めるクセがついていましたから、お手本もたいして見ずにサラサラっと書いて確認もせず、提出し…授業参観で張り出されました。
親は「恥かかせんな。」と言いましたが、私はちょっとだけ、クケケケ、とほくそ笑んだのでした。
そんな、「私の意地」、無駄な意地、バカな意地、ん~やっぱこれは「男の意地」とは違いますよね、だって私は女の子ですものね。
時に、意地を通さねばならない場面があるのです。それがどんなに馬鹿げていようとも、私にとっては大事なことで、そんなちっぽけなことで折れてしまうようなチンケな自分は嫌だ!と心の叫びで生きるのです。
あれは小学校3年生の時でした。
3年生になると突然「習字」の時間ができました。四角い手提げかばんのような習字セットをクラス全員が買わされます。男子が黒。女子は赤黒い色をした気持ち悪いカバンです。ランドセルもそうですが、昔は男子と女子ではそんなふうに色で差をつけるのが当たり前でした。私はあんな赤黒い変な色が嫌いでしたので面白くもオカシクもねーなーと、真新しい習字セットを残念な気持ちで眺めます。

それに私は絵は好きですが、習字とはびっくりするほど相性が悪く、習い事として一度通わされたことがあったのですがたったの一回で暴れて辞めました。ひたすら黒い色だけを使って、文字以外描いてはいけないなんていう拷問。そうです、私にとっては拷問でした。「そんな一度きりではわからないでしょ?これから楽しくなるかもよ?」という親には「無理なんだ!」とはっきり申し上げて怒りテンションで辞めたというカンジでした。
その恐ろしい習字の時間が学校の授業でも始ってしまったのです。とても残念に思いましたが、根が真面目な私は学校の授業となれば仕方がないので頑張ります。昔はとっても優等生気質なワタクシでしたので、授業の内容について人よりもできないなんていうことがあってはいけないと、それなりに頑張るのです。ああ、なんてケナゲな私。
そんなふうにそれなりに頑張ろうと思っていた私に大事件が起きました。起こっている事柄は実は地味なのですが、私にとってはけっこう大事件なのです。一体どんなことが起きたのかと申しますと…
まず、習字セット。赤黒い箱に持ち手がついたようなあの習字セットです。この内容物というのは、習字を始めるにあたって必要なものが全部そろっている…などとうたっておりますが実は大ウソで、どうしても自分で買わなくてはいけないものがあったのです。
それは、墨汁(ぼくじゅう)。
黒く四角い胴体に、行書体みたいな文字で「墨汁」と書かれた緑みがかった黄土色のシールが真ん中にペタンと貼ってあり、真っ黒な液体の注ぎ口はアホみたいなプラスチック色の真緑。この憎々しい物体。(なぜ憎々しいかは徐々にわかります)
「これは各自購入しなければいけません。必ず買って、習字セットの中に入れておいてください」、と担任の先生は言いました。
「それから習字の菅波先生はとっても厳しい先生です。礼儀や忘れものにも厳しいですよ、しっかり落ち着いて習字を習って下さいね。」
と、当時の授業はほとんど担任が行う状況だった中、怖い男の先生に習うことが初めてともいえるそのクラスに緊張感の走るようなことも言いました。
怖いといっても別に正しい行動をしていて怒られることはまずないのだから、そんなに怖がる必要はない。私は怒られることをする気がない。と、そんな担任の脅しなんて全く気にも留めていませんでした。
ところが…私の身に大問題が降りかかります。
これは、どうしてそんなことになるんだ?と聞かれると、うちの親がバカだから…としか言いようがないのですが、私が親に
「墨汁を買ってくれ。」と言うと、親は、
「ナニソレ、墨汁?そんなもん知らん。」と言いました。
なので私は説明します。
「習字に使う墨のことだよ。前に一度だけ行った習字教室にもあったよ。墨汁がないと何にも書けないよ?」と。
すると親は、
「墨なんてコレじゃん。この四角いヤツが墨なんだよ。水を入れてずーーーーっと根気よくこすってると墨ができるんだから。墨と言ったらコレだ。そんな墨汁なんてなくたって別に困らない。このセットにわざわざこの墨が入ってるんだからちゃんとソレ使ってよ。」
と、習字セットに入っていた四角い物体を持ちだしてそう言うのです。
私はとても困りました。学校からは墨汁を買ってこいと言われ、親は墨汁なんていらないと言います。冷静に考えて私は学校で忘れ物をしないためにはここで親を説得しなければいけませんが、うちの親はちょっと変わっていてなぜかどうしても「墨汁」の存在を受け入れないのです。そしてしつこく食い下がる私に、
「墨汁なんていうのは邪道だ!絶対買わん。」と言ったのです。
最悪だと思いました。なぜ、墨汁でそんなことが起きる。もうお年玉とかで買ってやろうかとも思いましたが、大嫌いな習字のためにお年玉まで持ち出すのはやっぱりどうしてもイヤでした。
こうなったら、親に「墨を作れと言われました。」と正直に言ってみようと、習字の授業当日、私は墨汁を持たずに学校へ行ったのです。これも大きな間違いでした。
習字の菅波先生、こちらも少し変わった先生で、私の言う事に全く聞く耳を持ちません。私ははっきり言ってこの時、世の中は「結果論」であると学んだと言ってもいいと思います。菅波は「持ってくるべきものを持ってこない。」それが「悪」であり、「罪」である。持ってこないことの過程は関係ない。私にそう言いました。かなり厳しく怒られて、次回必ず持ってこいと怒鳴られたことを今でもよく覚えています。怖いというよりもムカつく。私はムカついていました。反抗的ないくない生徒です。
そして、その日墨汁のない私は隣のフクロウみたいな顔した男の子、山口くんに墨汁をわけてくれるように頼んだのですが、山口は「ヤダね。」と言って私に墨汁をよこしません。
これもムカつく。「ヤダね。」ってナニソレ「ヤダね。」って。
そりゃ私はあんたの隣にいて、たいして優しくもないつまらない女子かもしれませんけどね、困っている人を助けてあげましょうって、センセー言ってただろ?普通、墨汁くらいわけるだろ、なんとケチくさい男なんだ!
ここで断られると思っていなかった墨汁を断られたことで頭にきた私は、もう意地になってしまいました。方法としては前の人や後ろの人にも声を掛けて墨汁をもらうという手もあったはずなのに、私はその道を選びませんでした。意地になって、
自力で墨を作ってやる!
と、すずりに墨をバカみたいにこすりつける戦法を実行することにしてしまったのです。
墨を作る作業というのがどれほど大変かをいうことを知らなかった私は、墨に対してものすごく甘い考えをもっていたことを身を持って体験させられました。はっきりいってイライラする。永遠にこすり続けていなければいけないような作業が鬼のようにイライラする。もういいかな?と思って紙に出来上がった墨を垂らしても、うっすい灰色。黒くない。

こんな面白くないことを、なぜ、クラスで1人、私?
すりすりすりすりすりすりすり…永遠のすりすり地獄。
いつブチ切れて机をひっくり返すか…時間の問題かもしれない。そう思いましたが、小学校の授業というのは45分授業です。わりとあっさりすぐに終わっちゃうのです。だから、我慢強い私がブチ切れる時間としては少々足りないものがある。私だって人間だもの、そんなに簡単にブチ切れられません。極限状態に陥らないと、びっくりするようなキレ方ができないんですよ、普通みんなそうですよね。
それに、その45分の中で、すりすりして作った墨で、文字を書き、提出までしなくてはならない。厳しいです、無理です、ヤバイくらい時間がない。
その日の私の45分スケジュールはこんなカンジでした。
墨汁を忘れて先生に怒られる→10分
山口にムカつきながらすりすり地獄→30分
あと残り、5分しかありません。
その5分で課題である文字を書いて提出する。
すりすり作業に夢中になっていた私は、書く文字がよくわかっていませんでしたが、周りを見渡すとクラスメイトの方々が書いている文字は、
「山」。と、一文字。
どこ見ても、山、山、山、山。
バカみたいに山、山だらけ。アホらしい。
これだから習字は最悪だ。つまらなすぎる。私はこの「山」一文字のために30分のすりすり地獄を味わっていたのか、せめてもっとカッコイイ難しそうな漢字にしてほしい…と、書けもしないくせに思い、ここでもまたムカつきました。
そして、私が仕方なく書いた「山」。
もうびっくりするほどのグレー。灰色、ぜんっぜん黒くない。
あんだけすりすりしたのに、まだ黒くならんのかおまえは!と、墨にもムカつく。
ああ、もう最悪だ、習字最悪、大嫌い。
私はこの先どんなことがあっても習字だけは許さないと決めました。
そして、その日はクラスで1人、うっすい「山」を提出し、菅波には「ずいぶんと遠い、霞のかかった山だなぁ。」とハイレベルな嫌味を言われ、ムカムカ続きで疲れる授業をどうにか終えたのです。
もちろん家に帰ってその日の出来事を親に説明します。だから墨汁を買ってくれと頼みました。それなのにうちの親は、
「正しい!クラスで1人だけ正しい習字の時間過ごしたんじゃない?」と、ぜんっぜん私の立場をわかってくれません。グレようかと思いました。
なぜかうちの親は「墨は心を込めてスルもの。それで書くから習字なんだ。」と思い込んでいるのです。いや、正しいのかもしれませんが、学校という場所で、しかも45分授業で、そんなことをしていたらただのすりすり授業ですよ、習字の時間とは言えません。そのことをどんなに説明しても親は納得してくれないのです。
もう全てがイヤになった私は本気でグレることを真剣に考えましたが、そんな自分のためにならないことはやめよう…と、思い直しました。
墨汁は手に入れられない。先生は怒る。親は理解しない。山口は優しくない。私に残された道は、すりすり地獄。
この過酷な状況に、私は3週耐えました。はっきりいって辛かったです。この時は人生のうちで今が一番辛い時かもしれない…などど考えながらひたすらすりすりすりすりと妖怪ばりに不気味なオーラを発して毎回墨を作りました。でも4週目、さすがに堪忍袋の緒が切れたらしい菅波が私を鬼のように怒ります。
でも仕方ないじゃなか、親に買ってもらえないんだ。と思いながら怒られていました。ここで泣かないのが不思議なくらい、私はかわいそうな立場だったと思います、だって小学校3年生ですよ、少女ですよ、少女。
もー、「親、対、菅波」
もうこいつらヤダ。というのが私の率直な意見でした。それからこんなオトナになはるまい…とも思いました。
親呼び出しでも何でもいいから直接戦ってくれればいいのに、どーしてそうならないのかが不思議でした。
その後も私は墨汁を持って行きませんから、毎回菅波に怒られます。でも菅波の言葉なんで私の心にはちっとも響きません。わめいていればいいさ、それが怖いだなんて思わない。犬みてぇ。と、最悪な小学生です。
でも、さすがにとなりの山口が言いました。
「墨汁…使っていいよ…。」と。
私がこんな事態に陥るということがクラスの誰が想像するでしょうか、誰もしませんよ。そして山口の他にも私に墨汁をめぐんでくれようとする心優しいクラスメイトがたくさんいました。
それなのに私は、その優しさあふれる行為を全て断りました。
それは、なぜか…「意地」です。
もう、意地でも墨汁は使わない、お願いだから使ってくれと言われても絶対使わない。最初は買ってもらえなくて使えなかったのかもしれないけれど、もうここまできたら自ら「使わない」に変更してやる。どうせ誰も私の気持ちなんてわからない(←ありがちなアウトローの感情w)。
私はこういう事態を経て、絶対に墨汁を使わない人間になったのです。それからその後、どうしても墨汁を持ってこない私の家に一本の電話が入りました。学校からです。親に直接墨汁を持たせるようにと担任が電話をしたのです。さすがに学校から直接墨汁の件について説明を受けた親は、事態が自分が思っているほど軽くなかったことを理解してくれました。
そして私は墨汁を手にいれました。初めてのMY墨汁です。でも愛しさを感じません。
黒く四角い胴体に、行書体みたいな文字で「墨汁」と書かれた緑みがかった黄土色のシールが真ん中にペタンと貼ってあり、真っ黒な液体の注ぎ口はアホみたいなプラスチック色の真緑。
ずっと欲しいと思っていた墨汁が今、目の前にあるのにそれはいろいろなムカつく感情を引き出すアイテムでしかなく、憎々しい。
それよりも、ずっとすりすりすりすりを続けてきて、斜めに減ってきた四角い墨のほうがよっぽど愛着がわいて可愛らしく見えました。
私は親から墨汁を渡された日の夕方、その墨汁を持って外へ行きました。買ってもらったばかりの一度も使っていない墨汁を手に、複雑な思いで近くの土手へと向かいます。土手を超えて、大きな川の河原まで行くと、私はその墨汁を思いっきり川へ向かって投げました。
私の心の叫びを全てその墨汁に詰め込んで、そして川へと葬り去ってやったのです。その後、もちろん親にも怒られ、菅波にも怒られ続けました。学年主任のこれまた怖い先生と面談もさせられました。たかが墨汁で。
でも私は折れません。何が何でも、墨汁だけはいらない。
何が、誰が、私をそうさせたのか、周りのオトナは尋常でない私の意地の張りように、今度は困惑しているようでした。妙に優しくなった菅波はまるで腫れものにで触るかのように、「好きにしなさい」と最終的には私に自由を与えたのでした。
おそらく、職員会議では
「彼女は危ない、危険だ。」と議題にあがったのだと思います。
その後、学年があがってすりすり作業が面倒(バカらしい)になってしまった私は、バレないように墨汁に水を足して薄墨を作り、人口的な薄い文字を書いて提出するという、最低野郎になりました。テンションが普通に戻れば、すりすり作業なんて永遠にやってられません。でもあれだけ(伝説になるくらい)墨汁を使わないこだわりを前面に押し出してしまっては、突然墨汁を使う人にはカッコ悪くてなれないのです。これまたおかしなプライドです。
書き初めの宿題だって、墨汁に水を足して書きましたよ。提出後、最悪なことに字が間違っていて大恥かきましたけど、基本的にすりすり作業の長かった私は、
習字=一発勝負(5分)
という感覚が身に着いてしまい、とにかく提出するものを練習なしで、一回で決めるクセがついていましたから、お手本もたいして見ずにサラサラっと書いて確認もせず、提出し…授業参観で張り出されました。
親は「恥かかせんな。」と言いましたが、私はちょっとだけ、クケケケ、とほくそ笑んだのでした。
そんな、「私の意地」、無駄な意地、バカな意地、ん~やっぱこれは「男の意地」とは違いますよね、だって私は女の子ですものね。



カテゴリ合ってますか…。
主婦日記とかには混ぜてもらえない気がするんですよ。
カテゴリ分けって難しい。音楽関連のトコに行ってもいいかなぁ。
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インクルージョンイズム

お母さん、墨汁は買ってあげてください…、同じ過ちを繰り返す子供を増やさない活動をしてきたいと心から…思います。私のようになってはいけない。最初から墨汁さえあれば、全てがうまく行ったはずです。
薄墨で「山」と書くと、霞がかかったように見えるのです。
「山」は力強く、黒々とした立派な「山」でなくてはいけません。
薄墨撲滅委員会
ギャハハハハ!(酷い
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コメント
幼い頃に親と教師のと板挟みでさぞかし不愉快な思いをされでしょうね
ところで両方から謝罪はあったのでしょうか?
これがもし今だったらネットで話が広がりタダでは済まされない大事に発展するかも知れないですね
墨汁を持って来い!と怒る先生。
僕は正しいと思います。
墨汁なんか使わんでいい!と買ってくれない親。
僕は正しいと思います。
そしてせっかく買って貰った墨汁を川に捨てたいずきちさん。
僕は正しいと思います。
たかだか墨汁。
しかし、三者にとったら、されど墨汁。
たかが墨汁と、臭いモノに蓋をするように切り捨てる今の世の中が間違っているのです。
たかが墨汁とて、一歩も引かない先生と親といずきちさんは、正しい人間の姿だと思います。
この、たかが墨汁の三つ巴を繰り返し、先生と親と子供はそれぞれ学び、成長していくのではないでしょうか。
結果、先生と親と山口君は妥協しましたが、しかしいずきちさんは最後まで妥協しませんでした。
その「女(子供)の意地」に僕は心から拍手を送りたい。
そして、現代の、腰抜けな先生や、自信を無くした親、そして大人の顔色を伺うガキ共にも、このくらいの意地を持って欲しいと思う今日この頃です。
【2011/09/04 22:05】
URL | 愚人 #04Yc0YDc [ 編集 ]
URL | 愚人 #04Yc0YDc [ 編集 ]
>あやくわんこさん
今だったら、そう、ネットで…なんてことは昔はいっぱいありましたよね。でもどんな理不尽なことも乗り越える力や考える力にはなっているはずなんですよ、多分…。その中で、なんというか生きる力を身につける?みたいな。
うちの親なんて謝るどころか、間違ってない!と言い張りましたwwそんでもって「ガッコがおかしい!」とも言ってましたねw
センセーだって触れません。触れずに過ごすこともまた必要なことなのでしょう。
だから雑草のような心が育つワケですなww
今だったら、そう、ネットで…なんてことは昔はいっぱいありましたよね。でもどんな理不尽なことも乗り越える力や考える力にはなっているはずなんですよ、多分…。その中で、なんというか生きる力を身につける?みたいな。
うちの親なんて謝るどころか、間違ってない!と言い張りましたwwそんでもって「ガッコがおかしい!」とも言ってましたねw
センセーだって触れません。触れずに過ごすこともまた必要なことなのでしょう。
だから雑草のような心が育つワケですなww
>愚人さん
「女(子供)の意地」への心からの拍手、ありがとうございます!
たかが墨汁、されど墨汁。
それぞれの正義。でもどこにでもこんなドラマがありましたよね、昔は。
私はかなり極端な人でしたから、訴えたいことをうまく伝えられなくて、こうやってやることがおかしくなってしまいますが、意地を通すことの意味とは、ないようでいてあるんですよね。くだらなくてもあるんですよ。
たしかに現代を生きる人はスマートなうわべだけのカッコ良さのみを重視している傾向にあるのかもしれません。
どんなにカッコ悪くても、カッコよく生きたい。実際カッコ悪くてもめげません、私はw
墨汁を捨てた時、罪悪感はあったけどそれを上回る快感。イケナイことってこんなに気持ちいい…と、これまたおかしな感情をちょっぴり味わう少女でありましたw
「女(子供)の意地」への心からの拍手、ありがとうございます!
たかが墨汁、されど墨汁。
それぞれの正義。でもどこにでもこんなドラマがありましたよね、昔は。
私はかなり極端な人でしたから、訴えたいことをうまく伝えられなくて、こうやってやることがおかしくなってしまいますが、意地を通すことの意味とは、ないようでいてあるんですよね。くだらなくてもあるんですよ。
たしかに現代を生きる人はスマートなうわべだけのカッコ良さのみを重視している傾向にあるのかもしれません。
どんなにカッコ悪くても、カッコよく生きたい。実際カッコ悪くてもめげません、私はw
墨汁を捨てた時、罪悪感はあったけどそれを上回る快感。イケナイことってこんなに気持ちいい…と、これまたおかしな感情をちょっぴり味わう少女でありましたw
すりすり
私の習字の初回の授業は、全員で墨をすりすり磨って苦労を味わい、二回目から墨汁を使ったと記憶してます。ちょっと先生の配慮が足らなかったかな?
昔の子供も親もかたくなと言いますか、意見を通しましたよね~。
昔はスーパーのオモチャやお菓子売り場の前で倒れて手足をばたつかせてネダル子供と、それと闘う親の姿があちこちで見られたものです。
よく私もケツで店の床をすりすり磨いたな~、チッとも買って貰えなかったけど・・。
私の習字の初回の授業は、全員で墨をすりすり磨って苦労を味わい、二回目から墨汁を使ったと記憶してます。ちょっと先生の配慮が足らなかったかな?
昔の子供も親もかたくなと言いますか、意見を通しましたよね~。
昔はスーパーのオモチャやお菓子売り場の前で倒れて手足をばたつかせてネダル子供と、それと闘う親の姿があちこちで見られたものです。
よく私もケツで店の床をすりすり磨いたな~、チッとも買って貰えなかったけど・・。
>夕焼けトンビさん
うちの親の時代は「墨汁」なるものがなかったそうで、その存在を邪道であると判断したらしいのですが、ガッコーで言われてんだから、ちょっとは私の立場も考えてくれ…と思いましたw
すりすりしてこそのお習字である…正しいと思いますが、どんどん便利なものが出来、風情がなくなっていくその狭間的空間に私はいたのかもしれません。たしかに全員ですりすりして、その大変さも学習することが大事ですね。私のいたクラスは私1人がイヤっていうほど学習しましたw
現在、例えば私が息子に買わないとしても、甘い、甘い、甘すぎる、ばーさん(母)がアホみたいに買います(汗
年ををるとここまで変わるのか!と、墨汁を買ってくれなかった母に思います。時の流れは恐ろしいです~。
うちの親の時代は「墨汁」なるものがなかったそうで、その存在を邪道であると判断したらしいのですが、ガッコーで言われてんだから、ちょっとは私の立場も考えてくれ…と思いましたw
すりすりしてこそのお習字である…正しいと思いますが、どんどん便利なものが出来、風情がなくなっていくその狭間的空間に私はいたのかもしれません。たしかに全員ですりすりして、その大変さも学習することが大事ですね。私のいたクラスは私1人がイヤっていうほど学習しましたw
現在、例えば私が息子に買わないとしても、甘い、甘い、甘すぎる、ばーさん(母)がアホみたいに買います(汗
年ををるとここまで変わるのか!と、墨汁を買ってくれなかった母に思います。時の流れは恐ろしいです~。
いや~またまた泣かせて頂きました(笑)
自分も「薄~い墨」良くやりましたよ~
何か同じ経験してきてるみたいで共感しました
【2011/09/10 23:20】
URL | CM+PUNK #- [ 編集 ]
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まさに、いずきちの意地。
やっと買ってもらった墨汁を投げ捨てる。
この気持ち、わかる気がする。
自分では絶対できないけど。。。
超ムカつきながら、でも、ホッとしながら
でも、使うのはすっごく悔しくて、
でも、やっとフツウになれる…とか
いろいろ、ぐちぐち考えながら使いそう。
いずきちんさんは、やっぱ、根性すわっとるっ!
それから、墨汁に水を足すのも
わかる気がする。
これは、私もやったかも…

【2011/09/11 12:22】
URL | バウワウ #- [ 編集 ]
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>CM+PUNKさん
こんな経験がある人というのは、やっぱりどこかちょっぴり変わっているおちゃめさん…ですよねw
心の葛藤がバカらしくても、本人はいたって大真面目なもんですから笑えるしちょっぴり哀愁ww
こうやって生きるんだ!という、意味はわからないけれど意地がある…それはきっと今でも変わらないナニカなんです、それを見失わなければどこにいたって、辛くたってポキンとは折れないんですよね。そんな雑草のような私ですww
こんな経験がある人というのは、やっぱりどこかちょっぴり変わっているおちゃめさん…ですよねw
心の葛藤がバカらしくても、本人はいたって大真面目なもんですから笑えるしちょっぴり哀愁ww
こうやって生きるんだ!という、意味はわからないけれど意地がある…それはきっと今でも変わらないナニカなんです、それを見失わなければどこにいたって、辛くたってポキンとは折れないんですよね。そんな雑草のような私ですww
>バウさん
そうなんです、心の葛藤がありますよね。
何も普通に使えばいいんですよ、墨汁を。
それなのに、悔しくて、素直に使えない。
だって、今までの私のこの精神的戦いは一体何だったんだ!となるじゃないですか。
墨汁は正直言ってすごく欲しかったです。楽じゃないですか、いきなり真っ黒なんですから。これでもかって言うほど黒いんですから。あの黒ささえも憎いと思うくらい、すりすりばかりしてましたから、私。今考えればかなりかわいそうです。
だからそれが嫌だったんですよね、「私はかわいそうじゃない!!!」と、いう猛アピール。それが墨汁を捨ててしまった答えなのかもしれません。くそ意地で生きてたあの頃(まぁ今も変わりませんが)、滑稽すぎる思い出がたくさんです。
滑稽すぎる恐ろしい思い出、ちょっとした地獄絵図も近々書こうかな。
勇気あるヤツがいましてね……そいつは私の席の後ろでした。何考えてるのかわからない無口な男の子でしたよ。
でもある日の授業中、そいつは…私の黒々とした長い髪の毛をですね…ハサミで…
ホラーバリに恐ろしいノンフィクションストーリーですw
普通に考えて許すはずかないですもんね、私がw
そうなんです、心の葛藤がありますよね。
何も普通に使えばいいんですよ、墨汁を。
それなのに、悔しくて、素直に使えない。
だって、今までの私のこの精神的戦いは一体何だったんだ!となるじゃないですか。
墨汁は正直言ってすごく欲しかったです。楽じゃないですか、いきなり真っ黒なんですから。これでもかって言うほど黒いんですから。あの黒ささえも憎いと思うくらい、すりすりばかりしてましたから、私。今考えればかなりかわいそうです。
だからそれが嫌だったんですよね、「私はかわいそうじゃない!!!」と、いう猛アピール。それが墨汁を捨ててしまった答えなのかもしれません。くそ意地で生きてたあの頃(まぁ今も変わりませんが)、滑稽すぎる思い出がたくさんです。
滑稽すぎる恐ろしい思い出、ちょっとした地獄絵図も近々書こうかな。
勇気あるヤツがいましてね……そいつは私の席の後ろでした。何考えてるのかわからない無口な男の子でしたよ。
でもある日の授業中、そいつは…私の黒々とした長い髪の毛をですね…ハサミで…
ホラーバリに恐ろしいノンフィクションストーリーですw
普通に考えて許すはずかないですもんね、私がw
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