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飲み込む系はヤメロと私が言えた義理じゃないが、言いたい。 

2012-09-26-01.jpg

ま、こういうのも、アリってコトでですね、多面的に行きましょうよ。
(大爆笑してる奴がいるのは解ってます)

今日は「飲み込む」というきわどいキーワード。

朝、母がめずらしく神妙な顔つきで私に話しかけてきた。

「ねぇ、今忙しい?ちょっと話してもいいかな?」

いつもは私が忙しくたって忙しくなくたって全く関係ない母が、そんなことを言うこと自体おかしい。一体何が起きたんだろうと、私も神妙な顔つきで

「どうしたの?」

と、聞き返した。

すると母は、

「飲んではいけないものを飲んでしまった…。」と、シリアスなドラマのワンシーンように呟いた。

過去、飲んではいけないものをいろいろと飲み込んだ(お金とか、絵具とか、濃縮3倍めんつゆとか)ことのあるいわゆる経験者の私だが、母の「飲んではいけないもの」とは一体何か。私以上いヤバイものだろうかと考えてしまう。

私は恐る恐る聞いた。

「…何…を…?」

母は、眉間にしわを寄せ、何かを諦めるような表情で私を見た後、少しだけうつむいて、

「歯」

と、小さく答えた。








もっと恐ろしいものを想像していた私は思わず、

「はぁ?」

と、かなり間抜けな顔で聞き返したが、母は笑いごとではないと言いたげな真剣な顔で私を見る。そして私に厳しい口調で語る。

「歯っていってもね、差し歯なんだから。先っぽが画びょうみたいに尖がってるんだよ?どこの医者に行けばいいんだ、歯医者?内科?外科?肛門科ではないよね、今飲んだばかりだからまだその辺には到達していないな。それよりそんなにうまく肛門まで進むとは限らない。早くしないと心臓に刺さって死ぬかもしれない。」

なるほど、先っぽが尖っているのか。それはもしかしたら私が飲み込んだ200円よりも大変な問題かもしれない。100円玉は何枚飲み込もうとも身体の内部に刺さって危険な部分はない。100円玉が丸くて私は幸せ者であったと思ったが、それよりも母。差し歯が刺さって死んじゃったらどうしよう、大変だ、今すぐ医者に電話しなくては。

しかし、医者は9時からで、8時になったばかりの時間ではまだ電話に応答してくれなかった。それでも一刻を争うのだからもしかしたら救急車を読んだ方がいいだろうか。と、私がそんなことを考えていると、さすが親子としかいいようのないタイミングで母が、

「救急車呼ぼう。」

と、言った。

私も一瞬、それしかないのか…とも思ったが、その前にまずネットで調べることを思いついた。思いつくほどのことでもないくらい、毎日毎日ネット関連の仕事をしているくせに、こんな時の私はやっぱり40過ぎのレトロ人間だと思ってしまう。現代の事情で生きているようで、実際の頭の中はそうでもないということに気づかされる。

日々、どうでもいいことに気づいたり気付かなかったり。それは非日常な出来事によって実感できる心の栄養ではあるが、できればこういう心配事はやめてもらいたい。

とにかく、ネットで差し歯を飲み込んでしまった時の症例について調べてみることにした。「差し歯 飲み込む」で検索してみたところ、いくつかの事例がヒットした。その内容によると、ぴんぴんしているなら大丈夫だということであった。どの記事を読んでもそんなふうに書いてある。

何で?だって画びょうみたいに尖ってるんだよ?

という疑問が私の頭の中では竜巻のようにぐるぐる渦巻くばかりだ。

一体どういうことだろう。人体の不思議には疎い私だけれども、誰もが画びょうなんて飲んじゃったら大騒ぎするのではないだろうか。だから画びょうみたいな差し歯でも大騒ぎしてもいいんじゃないだろうか。不思議で不思議でどうしようもないけれど、とりえずその検索結果を母に伝えた。

すると母は、

「そんなワケないじゃん、だって尖がってるんだよ、画びょうと一緒だよ!刺さる!」

と、これまた私の思考にそっくりな言動しかしないのである。やはりDNAとは恐ろしい。思考の脈絡はほぼ一緒で、私は完全にこの女のDNAとやらで出来ていることが明らかに解ってしまうのであった。

それにしてもネットでの検索結果から、救急車を呼んではいけないような気がしてきた私は、心配ではあるけれど、とにかく医者に電話して聞いてみるのが一番だという意見を母に言ってみた。あと20分もたてば受付の人がきっと電話にでるはずだから、医者の意見を聞いてから行動に移すことにしようと提案したのだ。

すっかりと元気をなくしてテンションが地の底に落ちている母は、素直に私の意見に従うことを了承した。それでもその20分さえ、気が気でない様子で、

「なんか具合が悪くなってきた。刺さったかも…」

と言って自室のベットへ横になりに行った。





たしかに身体に異物を抱えている時の、あの何とも言えない気持ち。私には分かるし、解りすぎる。しかも先っぽが尖っているなんて、考えただけでどこかが痛み出しそうだ。しかし飲み込んでしまったものは仕方ない。差し歯なんて飲むなよ…と言ったところでどうしようもないのだ。そんな時はもちろん言いたいその言葉を伏せて元気づけるのが人としての優しさだと思う。

でも…ワタシが中学校のトキ、散々言われたあの光景がよみがえる…

「どーしてそんなもん飲むんだバカ!アホ!マヌケ!
100円二枚も飲むなんて信じられない!腹切って出すしかないワ、ボケ!」

…と怒る母に、魂のほとんど抜けた私…

幼かった私は、それなりに恐ろしい思いをした。
(思い出し御腹立ち)

だけど、よくよく考えるとあの頃の母より今の私の方が歳をとっている。人間、歳をとると丸くなるというが、全くその通りで、今の母にそんな鬼のような言葉を投げかけようとは思えない。

フフフ…私も年を取ってまあるくなった。



そんな考え事をしているうちに20分が過ぎ、とりあえず歯のトラブルということで歯医者に連絡。すると歯医者も「異常がないのであればしばらく様子を見てください。」との事だった。

人体の不思議、摩訶不思議。

本当に本当に、画びょうみたいな先っぽ大丈夫なの????

だって、胃とか腸とか傷つかないの?

最後の試練ともいえる肛門付近だって心配じゃない?

差し歯が縦長のウ○コに対して運よく盾に配置されて固まればすんなり来るだろうけど、万が一横に配置されて、しかも中心部よりちょっぴり横にずれたりとかして、針部分の先っぽだけ顔をだしてたりしたらどーなんの!

痛いんじゃないですか!

尖ったものをケツから出すなんてムボーだ!

と、思うのは私だけか???


オーマイゴット、私は一体どんな言葉を今、母にかけてあげればいいのだ…。




思考の迷宮に入ろうとする私の前に、自室から出てきてしょんぼりとにたたずむ母。ふと目があうと、私は優しく声を掛けた。

「医者はとりあえず様子みろって…。
で、ウ○コしたら、割り箸で探してみな。宝を…楽しいかもしれないぜ。」

母は、一瞬カッと目を見開き、私を睨みつけた後、

「ウ○コなんてかき回したくもない。寝る。」

と言ってまた自室へと去って行った。


仕方ねーじゃん、確認とれなきゃ嫌なのアンタだろ…と、言ってやろうとも思ったけど、優しさたっぷりな私は黙って割り箸をトイレに置いてやった。油性ペンで「宝探し棒」と書いてやろうかと思ったけどそこまで暇人でもないし、母の逆鱗に触れると仕事がし辛くなるから機嫌は損ねない方がいいだろう。

そして何事もないことを祈ろう。
心配ではあるけれど、とりあえずは大丈夫だと医者が言ったのだから、今の私には、いや誰にだって祈ることしかできない。


そんな金髪バカヤローの日々。


P.S
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