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プロフィール
Author:立方晶窒化炭素 IK
(リッポウショウチッカタンソイズキチ)
性別:乙 血液型:A
年齢:ロックなアラフォー野郎(乙)
趣味:ドクロ収集・魚類、爬虫類、昆虫類グッズ収集・バンド・お掃除・お絵かき・読書・音楽鑑賞
音楽…マキシマムザホルモン・筋肉少女帯/特撮・人間椅子などなど
本…江戸川乱歩・小林泰三などなど
習性:カタイモノが大好き
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十年便器

「くだらない」と言われてしまうことだと分かってはいます。
でも、私にとっては心の波を大幅に揺らされてしまった出来事なのです。
人は何かに影響され、進むべき道を選択します。
ある出来事により、昨日までの行動と今日からの行動が違ってくる…それを繰り返して人生という長いドラマをプロデュースしていくのです。
たとえどんなにくだらないことだとしても、事実、私の心は揺れ、そして行動は変わりました…。
-- 続きを読む --
今の学校に勤めて十年経ちます。
十年という月日は人生の何分の1になるのかは分かりませんが、ヒト科ニンゲンにとってはそう短くはない時間の単位だと思います。
十年前からその場所へと通い、十年前からその廊下を歩き、十年前からその教室で授業をし、そして十年前からそのトイレで用を足してきました。
雨の日も風の日も、楽しい時も辛い時も、頭が痛い時も腹が痛い時も…いつもそのトイレで用を足していました。
学校のトイレはいつもキレイです。用務員のおばさんが毎日お掃除してくれています。そんな用務員のおばさんに感謝せずにはいられません。お湯の出ないトイレの用具室にあるドデカイ洗面台のようなところでおばさんがザブザブと雑巾を洗っていたある冬の日、私は自分がもっていたホッカイロを差し出したことがあります。おばさんは少しびっくりしたように目を丸くしてから、可愛らしく照れたように微笑んで、しわの刻まれた細い指でそのホッカイロを受け取ってくれました。
そんなふうに用務員のおばさんとも良好な関係であり、暖色の暖かい色彩でデザインされたいつもキレイなトイレも普通に気に入っていました。
ところがある日…
私がトイレで用を足し手を洗っていると、物音が聞こえてきます。でも全部で三つある個室ですから他の人が用を足しているのだと思い気にも止めませんでした。しかし、次の瞬間、奥の用具入れの扉が開き、中から一人の女生徒が出てきたのです。
不思議な光景でした。用具入れの中からツンと澄まして出てくる女生徒。その生徒はスタスタと歩いて私の横に並び、隣の手洗い場で普通に手を洗い、前髪を気にしながら鏡で自分の姿をチェックし始めます。私の担当していないクラスの女生徒なのでしょう、見たことのない生徒でした。そして彼女は鏡でのチェックをし終えると、フワリといい匂いいを残してトイレの扉を開き出て行きました。
私は彼女の後姿を見送ったまま、取り残された感覚を味わいつつも、心臓が高鳴っていました。私の胸の中には大きな疑問が生まれています。
…彼女は用具入れで一人、一体何をしていたのか……
トイレの用具入れというのは、トイレ掃除の用具、モップやらバケツやらを入れておく狭い個室です。大概どのトイレもそういう用具入れという個室が備わっているものだと思います。特徴としてはトイレの個室よりもかなり狭いというくらいで、見た目は個室のトイレと変わりません。扉も他の個室トイレと同じようにデザインされているのです。
でも私はここで初めてこの学校のトイレの不思議なところに気がつきました。この学校のトイレには用具入れが二つあるのです。一つは扉をあけるとデカイ洗面台がある用具入れです。用務員のおばさんがいつもザブザブやっているところです。そしてもう一つが今、知らない女生徒が出てきた道具入れ…。
あのもう一つの用具入れの扉は開けたことがありません。私はトイレ掃除用具にいままでまったく興味がありませんでしたからあける必要がなかったのです。でも今、猛烈に開けたくなりました。そうです、女生徒がその扉から出てきたからです。
一体彼女はそこで何をしていたのかとでも気になります。用具入れから出てきて手を洗い、何事もなかったかのように振舞う女生徒。後ろめたいことの為にあそこに入ったのならもう少し動揺を見せてもいいはずだと思います。堂々と用具入れに入る用事とは一体なんだろう。少しでも理解に繋がる証拠は残されていないかどうか確かめる必要があるのです。
シーンと静まり返るトイレで一人、私はゆっくりとその用具入れに近づいて行きました。
そして、緊張しながら扉の金具部分に手をかけ、深呼吸をしました。
こういうのは、ちまちま開けたのではいけない。どんなに想像を絶する事態に出会っても、そのままを受け止める覚悟を決めて、ガバッと行く方がいいんだ。だから行こう。ガバッと行こう。力を込めて思い切りガバッと行こう。後の事はそれから考えよう。
私は扉の金具部分を掴んだ手に力を入れて、思い切りガバッと開けました。
ガバッ
一瞬、頭の中が真っ白になりました。私の見たものが真っ白だったからかもしれません。そこにはなんと、私の想像をはるかに超えたものが存在していました。
便器です。
そこには白い洋式便器があったのです。
用具入れとしか思えない狭い空間の中に、その便器はありました。
私はしばらくそのまま動けずに、中の便器を信じられないものでも見るかのように見つめていました。そしてそれからホンモノの便器であるかどうかを確かめるために中に入り、触って確かめました。座ってもみました。でも用を足したばかりなので排泄行為はできませんでした。
その便器に座って茫然と目の前にあるピンク色の壁を見つめました。ピンク色の壁はありえないくらい私の目の前にあります。便器に座った状態で曲げている膝がそのピンクの壁にぶつかっています。こんなに圧迫感があり、すぐ目の前が壁で覆われるトイレは初めてでした。普通に考えてこのスペースに便器を設置するのは多分間違っています。本当に狭すぎるのです。ですからこれは何かの設計ミスなのではないかと思いました。他の個室トイレはこんなに狭くありません。広々とした個室です。それなのにここだけこんなことになっていたなんて、誰が想像するでしょう…。
私は考えました。もしかしたらこの便器は最近用具入れを改装してできたものなのかもしれない。トイレの個室の数が足りないという声がたくさん上がっての学校側の処置なのか? でも女生徒の少ないこの学校では女子トイレが混雑しているところに出会ったことがない。それとも前年度の予算でも大幅にあまったのだろうか、いきなりこんなところに便器を増設するなんて…。
でもありえないことも想像しました。もしかしたら十年前、私がこの学校に来た時からこの個室は用具入れではなくて、最初から便器が設置されている立派な個室だったりしたら…?
いやいやいやいや、そんなハズはない。だって十年間このトイレを使用し続けてきた私が、気づかないわけがないじゃないか。十年も毎日このトイレを使用してきたんだ。十年前はここは絶対に用具入れだったハズだ。
なんだか妙に恐ろしくなった私は、急いでトイレから出て、その辺の廊下にいた女生徒に
「ねぇ、トイレの一番端にあるトイレっていつから便器になったの?」
という、恐ろしく意味不明な質問をしてしまいました。
どうしていいのか分からない女生徒の表情には少し恐怖の色も…。
イケナイ、これでは私は危ない人だ。もう少し冷静に言葉を発しなければ。
私は、その女生徒に「ごめん、なんでもない、ごめんねっ。」っとにこやかに言ってそそくさと立ち去りました。そしてそのまま走り出します。職員室へ向かい女性講師にも聞いてみようと思ったのです。廊下は走るなと小学校の廊下には書いてあるかもしれませんが、この学校の廊下には書いてありませんから、きっと走っても大丈夫です。
そして、職員室に駆け込んだ私は、女性講師のもとに行き、
「用具入れが便器だった。いつから便器!」
と、走ったことにより脳みその酸素が足りなくなり更に頭の悪そうな質問になってしまいました。聞かれた女性講師の先生は、何を言っているのかワカラナイという顔。当然といえば当然ですが、私はこの時それなりに混乱していて、冷静ではなかったので更に続けるのです。
「便器になったのはいつ!?昨日? 一昨日?」
私の言動はもう正常な大人の発する言葉ではありませんでしたが、ショックを受けながらも真実を受け入れることにしました。いつの時代も真実は一つであり、それを受け入れられなければ現実の世界では生きて行くことが困難になるのだと思います。
あの便器は十年前からずっとあの場所にあったという真実。
私が用具入れから出てきたと思っていた女生徒は普通にトイレで用を足しただけだったこと。用具入れは最初から一つしかなかったこと。トイレの個室は全部で3つではなく、最初から4つだったこと。そして誰もがその事実を知っていたこと…。
私は説明できないけれどかなりショックを受けていました。十年間使い続けていたトイレという場所で今、初めて対面した便器がある。便器はいつも私のすぐ隣に存在していた。タイミング、切っ掛けが私と便器の間には十年間なかったのだ。十年目の出会い。十年目のタイミング。
その後私はトイレに入ると必ずその狭い個室へ入るようになりました。私は勝手にその便器を「十年便器」と呼び、その存在を気づかなかった十年間の溝を埋めるように「十年便器」使い続けることにしたのです。
私の進むべき道は、「十年便器」を知る前と知った後では違います。私の行動は制限されました。自由に便器を選べなくなったのです。私はもう「十年便器」を知らなかった頃には戻れないのです。それが幸か不幸かは、本当は分かりません。
それでも幸福であるといつか思える日を目指して、心の旅を続けるのでしょう。
「十年便器」…あなたの傍にもあるかもしれません。
用具入れの扉を開ける時は、覚悟を決めておくことをお勧めします。
もしかしたら、そこには初めて対面する立派な便器があるのかもしれないのですから…。
だからナンダ!とお思いでしょうが、最近私は(も)頭がヤバめです。
書きモノを初めてしまうとこういうこといなるんですね…と、心の友の苦しみを少し理解した今日この頃。
しかし考え方一つで、世の中は本当に面白いと実感できる感性をこれからもっと育てていきたいと思っております。
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今の学校に勤めて十年経ちます。
十年という月日は人生の何分の1になるのかは分かりませんが、ヒト科ニンゲンにとってはそう短くはない時間の単位だと思います。
十年前からその場所へと通い、十年前からその廊下を歩き、十年前からその教室で授業をし、そして十年前からそのトイレで用を足してきました。
雨の日も風の日も、楽しい時も辛い時も、頭が痛い時も腹が痛い時も…いつもそのトイレで用を足していました。
学校のトイレはいつもキレイです。用務員のおばさんが毎日お掃除してくれています。そんな用務員のおばさんに感謝せずにはいられません。お湯の出ないトイレの用具室にあるドデカイ洗面台のようなところでおばさんがザブザブと雑巾を洗っていたある冬の日、私は自分がもっていたホッカイロを差し出したことがあります。おばさんは少しびっくりしたように目を丸くしてから、可愛らしく照れたように微笑んで、しわの刻まれた細い指でそのホッカイロを受け取ってくれました。
そんなふうに用務員のおばさんとも良好な関係であり、暖色の暖かい色彩でデザインされたいつもキレイなトイレも普通に気に入っていました。
ところがある日…
私がトイレで用を足し手を洗っていると、物音が聞こえてきます。でも全部で三つある個室ですから他の人が用を足しているのだと思い気にも止めませんでした。しかし、次の瞬間、奥の用具入れの扉が開き、中から一人の女生徒が出てきたのです。
不思議な光景でした。用具入れの中からツンと澄まして出てくる女生徒。その生徒はスタスタと歩いて私の横に並び、隣の手洗い場で普通に手を洗い、前髪を気にしながら鏡で自分の姿をチェックし始めます。私の担当していないクラスの女生徒なのでしょう、見たことのない生徒でした。そして彼女は鏡でのチェックをし終えると、フワリといい匂いいを残してトイレの扉を開き出て行きました。
私は彼女の後姿を見送ったまま、取り残された感覚を味わいつつも、心臓が高鳴っていました。私の胸の中には大きな疑問が生まれています。
…彼女は用具入れで一人、一体何をしていたのか……
トイレの用具入れというのは、トイレ掃除の用具、モップやらバケツやらを入れておく狭い個室です。大概どのトイレもそういう用具入れという個室が備わっているものだと思います。特徴としてはトイレの個室よりもかなり狭いというくらいで、見た目は個室のトイレと変わりません。扉も他の個室トイレと同じようにデザインされているのです。
でも私はここで初めてこの学校のトイレの不思議なところに気がつきました。この学校のトイレには用具入れが二つあるのです。一つは扉をあけるとデカイ洗面台がある用具入れです。用務員のおばさんがいつもザブザブやっているところです。そしてもう一つが今、知らない女生徒が出てきた道具入れ…。
あのもう一つの用具入れの扉は開けたことがありません。私はトイレ掃除用具にいままでまったく興味がありませんでしたからあける必要がなかったのです。でも今、猛烈に開けたくなりました。そうです、女生徒がその扉から出てきたからです。
一体彼女はそこで何をしていたのかとでも気になります。用具入れから出てきて手を洗い、何事もなかったかのように振舞う女生徒。後ろめたいことの為にあそこに入ったのならもう少し動揺を見せてもいいはずだと思います。堂々と用具入れに入る用事とは一体なんだろう。少しでも理解に繋がる証拠は残されていないかどうか確かめる必要があるのです。
シーンと静まり返るトイレで一人、私はゆっくりとその用具入れに近づいて行きました。
そして、緊張しながら扉の金具部分に手をかけ、深呼吸をしました。
こういうのは、ちまちま開けたのではいけない。どんなに想像を絶する事態に出会っても、そのままを受け止める覚悟を決めて、ガバッと行く方がいいんだ。だから行こう。ガバッと行こう。力を込めて思い切りガバッと行こう。後の事はそれから考えよう。
私は扉の金具部分を掴んだ手に力を入れて、思い切りガバッと開けました。
ガバッ
一瞬、頭の中が真っ白になりました。私の見たものが真っ白だったからかもしれません。そこにはなんと、私の想像をはるかに超えたものが存在していました。
便器です。
そこには白い洋式便器があったのです。
用具入れとしか思えない狭い空間の中に、その便器はありました。
私はしばらくそのまま動けずに、中の便器を信じられないものでも見るかのように見つめていました。そしてそれからホンモノの便器であるかどうかを確かめるために中に入り、触って確かめました。座ってもみました。でも用を足したばかりなので排泄行為はできませんでした。
その便器に座って茫然と目の前にあるピンク色の壁を見つめました。ピンク色の壁はありえないくらい私の目の前にあります。便器に座った状態で曲げている膝がそのピンクの壁にぶつかっています。こんなに圧迫感があり、すぐ目の前が壁で覆われるトイレは初めてでした。普通に考えてこのスペースに便器を設置するのは多分間違っています。本当に狭すぎるのです。ですからこれは何かの設計ミスなのではないかと思いました。他の個室トイレはこんなに狭くありません。広々とした個室です。それなのにここだけこんなことになっていたなんて、誰が想像するでしょう…。
私は考えました。もしかしたらこの便器は最近用具入れを改装してできたものなのかもしれない。トイレの個室の数が足りないという声がたくさん上がっての学校側の処置なのか? でも女生徒の少ないこの学校では女子トイレが混雑しているところに出会ったことがない。それとも前年度の予算でも大幅にあまったのだろうか、いきなりこんなところに便器を増設するなんて…。
でもありえないことも想像しました。もしかしたら十年前、私がこの学校に来た時からこの個室は用具入れではなくて、最初から便器が設置されている立派な個室だったりしたら…?
いやいやいやいや、そんなハズはない。だって十年間このトイレを使用し続けてきた私が、気づかないわけがないじゃないか。十年も毎日このトイレを使用してきたんだ。十年前はここは絶対に用具入れだったハズだ。
なんだか妙に恐ろしくなった私は、急いでトイレから出て、その辺の廊下にいた女生徒に
「ねぇ、トイレの一番端にあるトイレっていつから便器になったの?」
という、恐ろしく意味不明な質問をしてしまいました。
どうしていいのか分からない女生徒の表情には少し恐怖の色も…。
イケナイ、これでは私は危ない人だ。もう少し冷静に言葉を発しなければ。
私は、その女生徒に「ごめん、なんでもない、ごめんねっ。」っとにこやかに言ってそそくさと立ち去りました。そしてそのまま走り出します。職員室へ向かい女性講師にも聞いてみようと思ったのです。廊下は走るなと小学校の廊下には書いてあるかもしれませんが、この学校の廊下には書いてありませんから、きっと走っても大丈夫です。
そして、職員室に駆け込んだ私は、女性講師のもとに行き、
「用具入れが便器だった。いつから便器!」
と、走ったことにより脳みその酸素が足りなくなり更に頭の悪そうな質問になってしまいました。聞かれた女性講師の先生は、何を言っているのかワカラナイという顔。当然といえば当然ですが、私はこの時それなりに混乱していて、冷静ではなかったので更に続けるのです。
「便器になったのはいつ!?昨日? 一昨日?」
私の言動はもう正常な大人の発する言葉ではありませんでしたが、ショックを受けながらも真実を受け入れることにしました。いつの時代も真実は一つであり、それを受け入れられなければ現実の世界では生きて行くことが困難になるのだと思います。
あの便器は十年前からずっとあの場所にあったという真実。
私が用具入れから出てきたと思っていた女生徒は普通にトイレで用を足しただけだったこと。用具入れは最初から一つしかなかったこと。トイレの個室は全部で3つではなく、最初から4つだったこと。そして誰もがその事実を知っていたこと…。
私は説明できないけれどかなりショックを受けていました。十年間使い続けていたトイレという場所で今、初めて対面した便器がある。便器はいつも私のすぐ隣に存在していた。タイミング、切っ掛けが私と便器の間には十年間なかったのだ。十年目の出会い。十年目のタイミング。
その後私はトイレに入ると必ずその狭い個室へ入るようになりました。私は勝手にその便器を「十年便器」と呼び、その存在を気づかなかった十年間の溝を埋めるように「十年便器」使い続けることにしたのです。
私の進むべき道は、「十年便器」を知る前と知った後では違います。私の行動は制限されました。自由に便器を選べなくなったのです。私はもう「十年便器」を知らなかった頃には戻れないのです。それが幸か不幸かは、本当は分かりません。
それでも幸福であるといつか思える日を目指して、心の旅を続けるのでしょう。
「十年便器」…あなたの傍にもあるかもしれません。
用具入れの扉を開ける時は、覚悟を決めておくことをお勧めします。
もしかしたら、そこには初めて対面する立派な便器があるのかもしれないのですから…。
だからナンダ!とお思いでしょうが、最近私は(も)頭がヤバめです。
書きモノを初めてしまうとこういうこといなるんですね…と、心の友の苦しみを少し理解した今日この頃。
しかし考え方一つで、世の中は本当に面白いと実感できる感性をこれからもっと育てていきたいと思っております。
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カテゴリ合ってますか…。
主婦日記とかには混ぜてもらえない気がするんですよ。
カテゴリ分けって難しい。音楽関連のトコに行ってもいいかなぁ。
立方晶窒化炭素 IKプロデュース♪
魔除け・邪気避け系、ブラックテイストパワーストーンショップ
インクルージョンイズム

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